曲を聴く
但願人長久
(但だ命の長からんことを願うのみ)
 

名月は一体いつからこの大地を照らし始めたのか
杯を掲げて空に聞いてみる
天上の月宮では 今は一体何年にあたるのだろう
風に乗って月宮に帰りたいけれど
あの翡翠や白玉でできた楼台は私にはふさわしくないし
高いところに有るから寒すぎるだろう

月明かりの中で 蒼い影と共に舞ってみる
この人の世だって こんなにも美しい
月明かりは朱の楼台を巡り
美しく彫刻を施した窓から忍び込み
眠れずにいる人々を照らしている

ああ 恨めしいこの名月
なぜよりにもよって この別れの時にそれほど美しいのか

離合集散は人の世の定め
月に満ち欠けが有るのと同じ
完全なことなど古よりありはしない

ああ ただ長くこの世にあって
千里を越えて共にこの月を愛でられることを願うだけ

この歌詞は、元は蘇軾(宋代の詩人)が中秋の日に詠んだ詩です。
これは王菲が歌ってますが、最初はテレサ・テンが
中国の古典詩に曲をつけて出したアルバム「淡淡幽情」に収録されていました。

一般に蘇軾が弟子を偲んで詠んだ詩、とされていますが
それにしては艶っぽすぎるような・・・
如何でしょうか?

1995『’迷』(『恋のパズル』)より



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