| おもい |
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中国の革命〜抗日戦〜国共内戦といった、動乱期を生きた三人の姉妹の話。長女は資本家の孔祥煕と、次女は孫文と、三女は蒋介石と結婚し、同時の中国の政治・経済に多大な影響を与える。戦後、三人は考え方の違いから袂を分かち、終生合うことはなかった。 現代の中国・台湾を巡る世界的な状勢に直接関わってくるだけに、色々受け止め方はあると思いますが、新しい国を作ろうとする人々の葛藤を、女性を主軸に描いている点に、おもしろさを感じました。
中国最後の王朝、清王朝の末期に起きた、イギリスによる侵略戦争の話。当時イギリスは中国へアヘンを輸出する事で利益を得ていたが、中国がアヘンを徹底的に禁止し、イギリス船に積んであったアヘンを廃棄処分した事にをきっかけに、イギリスが中国に戦争を仕掛けた。結局中国が敗北し、香港がイギリスに割譲された。 これも歴史映画。中国にとってのアヘン戦争は、中国植民地化の第一歩として、深く心に刻まれているようです。植民地(中国は全土では無いが)にされた国の、悲痛な叫びを描いた作品だと思います。日本も中国を侵略した国の一つとして、この叫びをどう受け止めるかべきか、考えさせられる映画でした。
中国全土を混乱に導いた文化大革命の前後の農村が舞台。真面目に働き、小金をためた夫婦が、文革が始まるや「新富農」として糾弾され、財産を剥奪される。夫は処刑され、妻は見せしめの街頭清掃に従事させられる。 その後妻は、同じく「知識分子」として同じく街頭清掃に付かされていた別の男性と愛し合い、結婚するが、それが又糾弾の対象になり、夫は強制労働所に送られてしまう。
文革期の一般人の苦しみを描いた作品は、最近は色々有りますが、これはその苦しみだけでなく、生き抜こうとする人間のねばり強さをも描き、人間賛歌とでも言うべき物を感じさせてくれる点で、とても感動しました。単なる文革批判以上の物がある作品だと思います。
若い作家でゲイの主人公は、夜の公園でゲイの取り締まり中の警察官にキスをしたことから、連行され尋問を受ける。尋問の中で、主人公の過去が浮き彫りになっていき、いつしか尋問していたはずの警官は彼に引き込まれていき、自分の中にもゲイの側面があることを思い知らされていく。 現在の中国(大陸)では、日本以上に同性愛に対する偏見が強く、「社会に害悪を与える病気」と見なされており、政府の取り締まりも厳しいです。このような状況への反発から作られた映画です。固定観念に縛られた警察官が、人として自由に生きる主人公に接し、次第に変わっていく過程で見せる動揺は、まさに現在の中国そのものを現している様な気がします。 張元監督は、これ以外にも多くの「反体制」的な映画を撮り、常に中国社会が抱える問題に疑問を投げかけ続けている監督です。
中国東北部の農村が舞台。二モ(女/某)の夫は元村長であるが、病気で働けず、家は非常に苦労をしている。一方、隣の家は時流にのって金儲けをし、村一番大きなカラーテレビを持っている。仲の悪いこの隣家に対抗しようと、二モは必死になって働き、ついに県知事でも持っていないような、大きなカラーテレビを手に入れる。 現在の中国では、経済面での改革解放が進み、一種拝金主義といわれる風潮が蔓延し、社会問題となっています。この映画はそんな風潮への批判もあると思いますが、それだけでなく、人間の弱さとか悲しさみたいなものも、描こうとしていたのじゃないかと思います。
大戦中の中国のとある農村が舞台。そろそろ適齢期を迎えた5人の少女たち。彼女たちは自分たちの身の回りで起きる色々な事を通して、女性の置かれた立場の苦しさを理解していく。そして、村の女占い師が説く、少女だけの天国に憧れを抱き、結婚させられて苦しむよりは、むしろ死んでその天国へ行きたいと願い、そろって自殺を図る。 男尊女卑に対する批判をテーマとした作品です。適齢期と言っても、まだ 16・7の少女たちに、自殺を決意させるほど、当時の中国の女性は虐げられていたのでしょうか。本当のところはよく分かりませんが、このような古い体制に対する批判を込めた作品が、よく目につきます。
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